梅のある暮らし

梅は自然からの贈りもの。
昨年の梅林とのご縁をいただいてから、その奥深さ感じずにはいられないほど。
生で食する事の出来ない梅は、様々な形へ保存食として重宝され行く存在です。
保存食の王様とも言えそうなほど、素晴らしい役割をここに少しづつ
記して行きたいと思います。

●梅干し

昔ながらの梅干し作りで漬けた梅は、100年くらいは楽に保存出来るそうです。
ここで言う、昔ながらのと言うのは、塩分で言うと最低30~40パーセント以上の塩分で漬けた
ものです。梅干しには、抗菌作用、防腐作用などがあります。
昔の日の丸弁当なども、昔の人の知恵でしょうか。
お弁当が梅干しによって、傷まない様にしていたのですね。
夏場にはお米を研いだあとに
浸水したお米と一緒に梅干しを一個入れて炊きますと、安心です。
お米も臭くなりにくいです。
梅干しを作る際に副産物として出来る、梅酢はとっても貴重な調味料になります。
白梅酢、赤梅酢、また紫蘇もゆかりなどにしてふりかけもアレンジできてとってもおいしいです。

●梅肉エキス
大量の青梅の実から約、25〜30分の1の量まで長時間かけて煮詰めて作ります。
血液をさらさらにする効果や整腸作用、抗癌作用などのさまざまな効果が期待できる
貴重な「梅の力」。毎日少量づつ飲み続ける事が大切で小さなスプーン1杯が
適量です。
昨年はじめて梅肉エキスを作ったら、青梅から実をとるのもしぼるのも
煮詰めるものどれもこれも手間ひまが相当にかかる物なんだ、と思い知らされました。
何より、大量の青梅を使用して、ほんの僅かの梅肉エキスしかとれないのです。
相当な、梅の力が凝縮したものなのも納得。

●梅酒
年数を重ねた梅酒は、とてもマイルドでコクがあって美味しいです。
食前酒に少量の梅酒が出てくるお店もある様に、少し胃腸の調子が悪い時、食欲が
ない時などに飲用すると、良くなります。
梅酒に使用した梅もまた、ジャムにしても、臭みを取りたい食材の調理にも
一緒いいれて調理すると、臭みが取れて、食材も保存が高まります。
梅酒に使うお酒もアレンジして、本味醂や、日本酒、焼酎、ブランデー、ワインなどとも
一緒に漬けるとそれぞれの味わいが楽しめます。
また、梅酒が完成した後の梅は、梅ジャムや梅の甘露煮、梅醤などにも有効利用できます。


●梅シロップ
梅の香りや酸味が存分に引き出されてとても美味しいです。
水や炭酸で割っても美味しいです。暑い夏場はさっぱりして梅の中のクエン酸の
効果もあって本当に元気が出来てます。

●梅サワー
梅ジュースと同じように、梅シロップを作る際に、リンゴ酢などのお酢を入れて
仕込みます。こちらもお水や炭酸で割っていただきます。豆乳に適量混ぜると
ヨーグルトの様に変身してさっぱり美味しいデザートになります。
また、ドレッシング作りなどにも役立ちます。

●梅の黒焼き
3年以上ものの梅干しを使用して黒焼きにします。
土鍋に梅干しをを敷き詰めて七輪でじっくり弱火長時間火を入れて
黒焼きにします。黒焼きにした梅をすり鉢などで粉にしたものを
少量づついただきます。
この梅の黒焼きは、栄養価が黒焼きにする事で増すと考えられていて古くから漢方の生薬として使われています。
沢山の薬効の中でも、特に冷え性の改善に効果的だと言われています。

●梅醤番茶
梅と醤油と生姜の絞り汁と3年以上熟成させた番茶とシンプルな材料でできているのが
梅醤番茶。
冷えから身体をあたためるのにとっておきの飲み物。

梅味噌
梅と味噌を交互に重ねて漬けて行く梅味噌。
味噌に梅の風味が乗って行き、また梅そのものも柔らかくほどけて美味しい。
梅と味噌の最強養生コラボな一品。

●烏梅
青梅を長時間薫製した、昔から重宝されてきた漢方のひとつ。
鎮痛、解毒、健胃整腸の妙薬と、薬効は計り知れない。
また、紅花染めにとって、いい媒染となる事で知られている。